ラミクタールとはどんな薬?

ラミクタールは主成分のラモトリギンが脳内の興奮性神経伝達物質の遊離(放出)を抑制することで、てんかん発作や双極性障害(躁うつ病)の様々な発作を抑制する作用のある医療用の治療薬です。

(てんかん発作とは)

脳と各神経の情報のやり取りはシナプスという神経伝達物資によってやり取りされていて、両者間には微弱な電流が流れています。

「てんかん(発作)」とは脳内神経の電気信号が過剰に発信され、意識障害や痙攣性の発作を繰り返す脳の病気です。

てんかん発作のタイプは大きく二つのタイプに分類することができます。

それが、

  • 部分発作:脳の一部から異常興奮が始まるタイプ
  • 全体発作:脳全体から異常興奮が始まるタイプ

です。

そして異常波の発生部位や広がり方により様々な症状を呈するという特徴があります。

(双極性障害=躁うつ病とは)

躁うつ病は躁状態とうつ状態を不定期に繰り返す精神疾患です。

躁状態が進行すると落ち着きがなくそわそわしたり、妙にはしゃいだり、突然怒りっぽくなるなど行動がエスカレートしがちになります。

一方でうつ状態になると悲観的になりやる気が起こらず、気分が落ち込み外出するのが億劫になります。

このように相反するような二つの症状が不定期に訪れ、周囲を驚かせたり不安な気持ちにさせることがあります。

また、再発性が高いというのもこの病気の特徴で、長期にわたる治療が必要と言われています。

ラミクタールの作用

基本的にラミクタールは抗てんかん薬ですが、脳神経の異常興奮を抑える作用が双極性障害の発作の抑制にも効果があるため、この両方の症状の予防、軽減のための治療薬として承認されている薬です。

てんかん発作に対しては適用が広く、部分発作や全体発作にかかわらずあらゆるてんかん発作の抑制のために処方されます。

また子供に多い失神発作や治療が困難と言われているレノックス・ガストー症候群に対する治療薬としても承認されています。

治療効果の高い抗てんかん薬なので他の薬では効果の上がらないような重症度の高いてんかん発作の治療にも適しています。

この場合は単剤で用いられる場合もあれば、他の抗てんかん薬とのカクテル療法(複数剤投与)にも用いられる薬です。

(双極性障害への適用)

日本では最初に抗てんかん薬として承認されましたが、もともと海外では双極性障害治療時の第一選択肢として選ばれるほど、躁うつ病への効果が高いことが確認されているのを受けて、日本でも双極性障害(躁うつ病)の治療薬としての適用が拡大されました。

ただし双極性障害(躁うつ病)の中でも特にうつ状態の予防効果が高く、持続性治療(長期間にわたり服薬治療を続けること)としての投薬が推奨されていて、急性増悪期や急性期の治療には向いていません。

ラミクタールの特徴

血中濃度の半減期が約31〜38時間と長く、さらにバルプロ酸ナトリウム(デパケン)との併用で血中半減期は2倍に伸びます。

投薬量は年齢や症状によって増減しますので、医師の指示に従って用法・用量を守って服用することが重要です。

また利便性の高いチュアブル・ディスパーシブル錠で水無しでも飲めるため携帯性にも優れています。

また水に溶かしてからでも飲めるので、小さいお子さんへの服用に際しては少量の水で溶かしてから飲ませると良いでしょう。

口内炎や結膜炎、咽頭痛など皮膚や粘膜に病変が発生している場合は服用時に注意が必要です。

もし、皮膚や粘膜の病変が悪化するようなことがあれば直ちに処方医に相談するようにしてください。

これは脳神経の異常興奮を鎮める作用によって、感染症や炎症に対する脳の防御反応が鈍り、抵抗力が低下してしまうことで発生すると考えられています。

また、服用していても症状が改善しない時には主治医とよく相談するようにしてください。

特に双極性障害に対しては急性期の治療薬としては不向きなので、飲んでいても却って気分が不安定になる時はできるだけ早めに主治医に報告するようにすることが重要です。

したがって患者さん本人だけでなく、家族や周囲の人も日頃から注意深く行動を観察しておくことが大切になってきます。

この薬は一時的な投与で症状を改善または根治につなげるというタイプではなく、継続的に服用することで発作を予防するという目的で投与される薬です。

したがって定期的に治療と各種の検査を受け、薬の効き具合や副作用をチェックしてもらうようにします。

ただし、てんかんや双極性障害の発作の頻度によっては適宜減薬または服用の中止が不可能ではありません。

医師の指示に従って計画的に減薬していくことも可能ですので、医師とよく相談の上治療計画を練るようにします。

副作用について

発症頻度の高い副作用症状は「皮膚症状」です。

  • 発疹、発赤
  • 口唇または口腔内びらん(ただれ)
  • 喉の痛み(咽頭粘膜の病変)
  • 目の充血

など皮膚や粘膜に異常が現れた場合はすぐに使用を中止して処方医に相談するようにします。

ごく稀に重篤な皮膚障害へと進展することもあります。

これはデパケンという抗てんかん薬の併用時、飲み始めの2ヶ月間、高用量の服用時、子供への投与時に見受けられると報告されています。

他にも

  • 眠気
  • めまい
  • 注意力や集中力の低下
  • 反射能力の減退
  • 肝機能障害
  • 斜視(ものが二重に見える)、霧視(かすみ目)

などが副作用として報告されていて、また重い副作用としては

  • 重い皮膚粘膜障害
  • 造血障害、内出血、出血傾向
  • 薬剤性の肝機能障害:倦怠感、食思不振、吐き気、発熱、発疹、黄疸症状、ビリルビン尿(茶褐色の尿が出る)
  • 髄膜炎

が報告されています。

禁忌について

以下の症状の既往がある人、または身体状態にある人はこの薬を投与できません。

  • ラミクタールについてアレルギーがある人
  • 過去にこの薬の服用で皮膚症状が出た経験のある人

(投与には慎重を要するケース)

  • 妊婦
  • 授乳中の女性
  • 肝臓病のある人
  • 腎臓病のある人
  • アレルギー体質の人(副作用として皮膚症状が出やすいため)
  • 脳の器質的障害のある人(脳手術後、脳梗塞後遺症、脳出血後遺症、アルツハイマー型認知症など)
  • 自殺願望のある人

(飲み合わせ・食べ合わせについて)

  • デパケン(抗てんかん薬)と併用すると血中半減期(代謝までの期間)が2倍に延長されます。

このような時は医師の指示のもとラミクタールを減薬するなどの調整が必要となる場合があります。

  • 逆に他の抗てんかん薬(ヒダントール、アレビアチン、テグレドール、フェノバールなど)との併用時にはこの薬の血中濃度を下げてしまうため、併用時には必要に応じて増量するなどの手立てが必要です。
  • テグレドールとの併用で、吐き気、めまい、かすみ目などの副作用が生じる場合があります。

この場合はテグレドールを減量することで回復します。

  • 経口避妊薬(ピル)との併用時には相互作用を起こし効き目や副作用が強く出るリスクがあります。

ピルを使用する時は必ず主治医と相談してから使用するようにしてください。

(服用時の注意)

この薬は併用する薬によって服用量に個人差が生じやすいので、医師の指示のもと用法・用量はきちんと守って服用するようにします。

また、副作用には眠気や注意力、集中力の低下などがありますので、服用後の車の運転や危険な作業は中止するようにします。

入手方法

この薬は「てんかん」もしくは「双極性障害(躁うつ病)」の診断がないと処方できない薬です。

どちらの病気も継続的に治療薬を服用する必要性があるので、通常は医療機関から処方してもらうことになるでしょう。

また効果が高いことから医療機関でもてんかんや双極性障害の治療時には第一選択肢として処方される薬ですので、普通は病院で処方してもらうというのが入手方法としても自然な流れになります。

もし、万が一何らかの理由で個人輸入代行を使って入手する場合は他の抗てんかん薬やそれ以外の薬との飲み合わせの問題が多い薬なので、必ず主治医と相談してから購入を決めるようにしてください。